10年に一度の大寒波 水道凍結多発です
10年に一度の大寒波が襲来しました。
札幌市でも確かに体感したことのないマイナス気温が表示されており、たくさんの入居者から水道凍結の報告が多発しています。
水道凍結はなぜ起こるのか?どのように対応すればよいのかを簡単に説明しています。
そもそも水道凍結はなぜ起こる?
なぜ水道が凍結するのでしょうか?
それは「水道管の中に水があり、それが凍るから」です
至極当たり前のことなのですが、水道管の中に水が通っている(通水している)状態で、長時間水を使っていない場合、水道管の中は動きのない水でいっぱいになっている状態です。
動きがない水はマイナス気温になると徐々に凍結していきます。
非常に簡単なメカニズムになります。
ではどうしたら凍結させないことができるのかをご説明します。
水を動かすか水を無くしてしまうかのどちらか
水を常時動かしておくか、完全に水を水道管の中からなくしてしまうかのどちらかになります。
水を常時動かしておくのは原理的には簡単ですが、資源もお金ももったいない手法です。
寒い地方の田舎では、水道をほそーく出し続けておく、という手法がありますが、やはりもったいないという感情が前に出ますよね。
ではどうするのか?
水道管の中の水を無くしてしまうのです。
これがいわゆる「水落し」の作業になります。
一般的な水落し方法
水落し作業は室内または床下などにある「水抜き栓」を閉めることで行うことができます。
比較的古い物件では床から立ち上がったバルブが水抜栓のパターンが多いですが、壁に備え付けの電動水抜き栓の場合もあります。
バルブの場合は「水抜き」「止水」などの表示に回すことで水道管の中の水が下に落ちていき、水が抜けます。
電動水抜栓の場合は同じようにボタンを押すことで水が落ちていきます。
この作業だけで「水は止まり、水道管の中の水がなくなります」
ですが、実はこれだけではまだ不完全な状態なのです。
一体どういうことでしょう?
水落し作業は、お部屋から地面までの水道管の水をなくすことはできますが、室内の天井裏や壁内、蛇口に残ったお水をなくすことはできません。
「バルブは締めておいたのに部屋の中が凍った!」ということが起きるのはこれが原因です。
凍結の憂いから逃れるためにはまだ追加の作業が必要になります。
より確実に近づける追加水落し作業
①水落しバルブを閉める(ボタンを押す)
②水が止まったら、すべての蛇口を開く(水側もお湯側も)
すると室内配管に溜まった水が出てくる
箇所)キッチン、洗面台、洗濯機蛇口、給湯器の下、トイレタンク内、etc
水が通っている部分はすべて確認しましょう
③各蛇口の下部分に恐らくネジなどで蛇口内の水をさらに抜くことができる箇所があります。また、キッチン下や洗面台下などに下向きの蛇口がある場合はバケツを置いてその蛇口からも水を抜きましょう。
④すべての蛇口でお水が出なくなったら、室内の2箇所くらいで良いので、蛇口を開いたままにしておきます。※非常に重要なポイントです
例)キッチンはお水側にして開いたまま、洗面台はお湯側にして開いたまま
このくらいまでやれば人が住んでいる居室であればほぼ凍結は防げるはずです。
よほど寒い古いアパートなどでなければ、通常水落しバルブだけで大丈夫なこともありますが、今回のような-19℃などになると、室内でも凍結のおそれがあるのでご注意下さい。
数日部屋を開ける、空き家になる場合は更に各種水が貯まる場所に不凍液を入れます
例)トイレの水たまりやお風呂の排水溝など
慣れれば簡単、凍結事故と費用負担を防ぐ!
凍結解氷の作業費用だけであれば、1万~2万くらいですみますが、凍結により水道管が破裂した場合や別のお部屋に被害を出してしまった場合は数十万、数百万と跳ね上がってしまうことも珍しくありません。また、業者が捕まらず復旧できるまで数日かかるケースもあります。
水落し作業の重要さを再確認し、火災保険の加入状況の確認なども忘れずに行うようにしましょう。
どうしてもわからない場合は、管理会社やガス会社に相談する、物件販売担当業者に相談するなどして理解を深めておくことが重要です。

関連した記事を読む
- 2023/10/23
- 2023/10/20
- 2023/10/19
- 2023/09/05