不動産売却における価格設定の重要性
2022年中頃より不動産の売却における販売開始時の価格についての重要性を特に感じています。価格上昇が続いていた札幌市内の不動産価格に陰りが見え、むしろ崩壊し始めていると感じざるを得ない状況です。
不動産会社の提示価格がすべて正しいわけではない
不動産の価格査定は物件の個別性、担当者の考え方、販売タイミング(競合比較)によって変動するものですが特に複数社が1件の案件を競い合う査定サイトの場合にはどの会社も売主さんに選ばれたいので強気な価格を提示することが多くあります。
高い査定額を出した会社に依頼する売主さんが多いのは事実です。
その為実際の市場のニーズから外れた高値設定で販売を開始する形になることが多く、結果的になかなか売れない。という事態に陥ることがあります。
ご自身で買い手の気持ちを考えてみることが重要です
「今なら2,580万円で売れる可能性があります!」と提案された自宅。
売主様にとってもちろん少しでも高く売れるのが理想であり「そんなに高く売れるのか!」と嬉しい気持ちになるのは当たり前です。
ですが一旦深呼吸をして落ち着いてみてください。
「自分が購入者だったらこの価格は果たして、安いのか?高いのか?」
「自分だったらこの価格で買うかな?」
その気持ちで価格を見直してみることで、客観的にご自身の物件が市場の中でどのくらいの位置にあるのかが分かってくるものです。
価格は下がり傾向、値下げ価格改定をする物件数が増加
2022年前半くらいまでは順調に捌けていた中古住宅市場ですが、2022年中旬以降かなりの勢いで失速しています。
当社の物件でも、査定時相場と考えられていた物件が反響すら来ないというケースも少なからずあります。
当社には売主様には「根拠のない高すぎる価格提案はしない」というルールがあります。
過去の取引事例だけではなく、公示価格、路線価、建物の残価などを基本としたリアルな価格を提示し、その上でプラス補正(このくらいまでなら多少高くても買い手がつくであろう)した価格をご提案しています。
ただ、そこには長期化するリスクをしっかりとお伝えするようにしています。
その為当社の考え方にご共感いただいてご依頼いただけている売主様が多い為、高すぎる価格が少ない=適正価格のため順当な期間で成約となるケースが多いです。
価格設定がドンピシャであれば公開後すぐに反響が入る
価格設定が購入者のニーズとドンピシャの場合、ネット公開してすぐに複数件問い合わせが入り、すぐに買い手が決まることがとても多いです。
この差は本当に大きく出るため、反響がなかなか来ない場合は価格が高すぎるパターンが殆どです。
高く売りたい売主
安く買いたい買主
この両者の想いの中間点を見出すことがスピーディーかつ満足度の高い取引の実現への最短距離だと感じます。
売出し価格の提案時に相場価格や販売戦略について細かく説明があり、リスクにつ頭説明をする会社を選びましょう
近くの物件が3,000万で売れているのでこちらも3,000万円で売りましょう!
大丈夫です、今は土地価格が高騰してますから!
なんて説明しかしない業者に依頼するのはご注意を。
むしろ今は市場が冷え込んでます。競合物件との差別化や購入者のニーズはこうなっている。だからこのくらいの価格にした方が良い。このように段階的に価格変更していく形はどうでしょうか?など、根拠と戦略わ持って提案する会社こそ信頼できる会社といえます。
それはただ安く売ろうとしているわけではありません。長期化するリスクや売主さんの負担を考えての提案であることが殆どです。
査定価格に惑わされないように事前に相場感を調べておくことが重要です!
※買取の場合はとにかく高く買ってくれるところを選んで問題ありません。あくまで仲介の場合です。

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