株式会社スリーアール
10:00~18:00
水曜日
2019年06月30日
ブログ&地域情報

賃貸経営の失敗を防ぐ顧客ターゲッティング

ターゲッティングとは自社製品(この場合賃貸物件)を市場に投入する場合(空室募集する場合)に、標的市場となるセグメント(顧客層)を選定することを言います。

大家さんがお持ちのアパート、マンションの部屋をどんな顧客に向けて募集をするかを設定し、対策することで成約率が高まり稼働率が上がります。

「とにかく誰でも良いから決まって欲しい」と「◯◯のお客さんに向けて募集しよう!」では空室対策と募集の仕方に明確な差が出るのは明らかです。

どのように顧客層を選定するか

まずは物件の潜在能力を客観的に分析することが重要です。

分析は自分だけで行わず、委託している不動産会社、できれば物件近隣の仲介業者にもヒアリングすると良いでしょう。

1:間取りから選定(ファミリー・単身)

2:立地特性から選定(社会人・学生・生活保護受給者・年金・法人利用)

3:部屋の個別要因、既存設備から選定(男性向け、女性向け、高齢者向け)

4:価格対から選定(高所得者向け、標準所得者向け、低所得者向け)

5:築年数から選定(市場においての優位性を判断し募集条件の緩和を検討)

などでセグメントを絞っていきます。

1:間取りから選定

スタートはとても簡単ですが、1Rから1LDKまでを単身(同棲含む)2LDK以上をファミリーに分けて選定します。

広めの1LDKの場合は同棲や新婚さんも視野に入れ、設備導入、募集条件に同棲等可能と明確に打ち出すことでより内覧や問合せの間口が広がります。

ファミリータイプは狭めの2DKの場合は同じように同棲や単身入居可能を打ち出しすことで同じ効果が得られます。

2:立地特性から選定

交通利便や周辺の利便性、小中学校の距離、大学や専門学校の距離などから選定します。

学生の場合は親御さんが単純に学校が近いことが望まれます、そのため学校まで徒歩10分圏内、該当駅、自転車で通える距離などの場合は問答無用で学生需要を狙うのが良いでしょう。(単身物件の場合)

ファミリー物件でも小中学校が遠い(徒歩15分以上)の場合、以外に敬遠されがちです。その場合は子連れではないファミリー需要(新婚さんや同棲の社会人)の方が良いかもしれません。

駅の距離が近い、区役所が近い、病院が近い等の場合、高齢世帯や生活保護世帯に重宝される傾向にあります。築年数が古かったり間取りが少し狭いなどで駅近物件なのに成約率が低い場合、そのような需要をメインに考えると成約率が向上する可能性が高いです。

このように「どんな世帯が自分の物件を選ぶか」を考えます

3:部屋の個別要因、既存設備から選定

個別要因とは以下のような事例です

・一階のお部屋(高齢者、生活保護の方、事務所利用などに求められます)

・日当たりの悪い部屋(夜勤者のように日中に就寝する方に案外受けが良いです)

・築古なのでDIY可能でも良い(自分で何でもしたい方のニッチな需要があります)

 

既存設備から選定する場合は以下のような考え方です

・TVモニターホン、オートロック付き(学生、女性単身、小さな子どものいる世帯)

・追い焚き、浴室乾燥機、バルコニー(子供のいる世帯)

・ネット無料(単身、学生に人気、最近はファミリーでも人気の設備)

・自転車置場、バイク置き場(バイク置き場ありはニッチな需要が取れます)

総合的に考えた時に最も多く要因がフィットするセグメントを選定します。

4:価格対から選定

価格帯である程度セグメントのグループを狭めることができます。

~3万円 低所得層(若年社会人、一部の学生、求職者、事務所や倉庫利用)

3~4万円 一般社会人、学生の大半、生活保護世帯

4~5万円台 一般社会人、法人借上げ(単身赴任等)、同棲

6万円以上 比較的高所得層の社会人、法人借上げ、同棲やファミリー

少し荒い表現になってしまいますが、「お金がある方とない方」に分けて考えることでターゲティングがある程度できます。

滞納のリスクなども高まりますが、現実的に築古の1Rのアパートに普通に所得のある若い社会人の方はほぼ入居しません。

低所得者の方に選ばれる設備投資や募集条件の設定というものを見極めることで築古物件でも満室にすることが可能です。

5:築年数から選定

築年数での選定も比較的簡単です。

築浅物件は若年層、50代未満のファミリー世帯に選ばれます。

築古(25年~30年以上)は比較的高齢者の方や低所得層の方は「身よりも実をとる」傾向にあります。

リフォームの具合によっては上記の考え方は通用しませんが、一般的な内装レベルで済ましている物件の場合やはり築年数が古くなるに連れセグメントの年齢層は上昇していき、収入は下降していくと考えられます。

私が実践した事例

私が所有しているアパートで実際に成功した事例をご紹介します。

購入したのは1990年築の木造アパート、全国展開しており、誰しもが知る某不動産会社「ロフト付き1R」10戸です。はっきり言って同じような(全く同じ)物件は札幌市内に星の数ほどあります。お客さんの案内時に特にオススメできる点がないのが特徴と言っていいくらい、武器がありません。

購入時は4戸/10戸でした。スタート時の入居者の平均家賃は2.5万程、空室募集している部屋も2.5~2.8万円程でした。

以下が私の考えでした。

・低所得者、生活保護を狙う

・入居者属性はそこまでこだわらない(保証会社の利用、保証人内容がしっかりしていれば本人の年収などはあまり気にしない)更に保証会社の初期保証料は貸主で負担しました。

・お金があまりないと思うので、契約時諸費用は格安に

・室内内装はちゃんと直す(初期投資として)最低限の壁紙貼替えと床CF貼替え

・細かい設備は随時更新していく(IHヒーターへ交換、TVモニタホンへ交換など)これは自ら工事することで費用は原価分だけなのでとても効果があります。

そのかわり家賃は若干値上げしました。敷金礼金無し、その他の諸経費もなしですが、生活保護の方は補助上限の価格で成約するなどして利回りを向上していきました。

管理受託している物件ではなく、自分の物件のためリスク承知で強気に入居審査の条件を緩和しました。

ではターゲッティングと方針が決まった後は情報の公開です。

自社での反響の他に市内の業者への募集公開をし、近隣の業者には「他の管理会社で審査が通らない方がいたら相談してください」とお話をして回りました。

結果2ヶ月で満室となりました。

その後も退去はちょこちょこありましたが、高い入居率で推移し、現在所有4年目で、あと1年で原資回収となります。

「他の物件だと審査が通らない、余計な費用がかかる」などの理由もあると思いますが、多くの入居者さんが長期でご入居いただけています。

次回は受託している管理物件の事例をご説明します

今回の事例は私が所有している物件の為、リスクを覚悟で条件を緩和したケースです。次回は実際に当社で受託している管理物件でリスクは特に負わず、ターゲッティングから導き出した改善点で成功した事例を紹介します。

この記事を書いた人
野村 龍平 ノムラ リュウヘイ
野村 龍平
不動産業界において、賃貸仲介、物件管理、売買仲介、リフォームとメインとなる業務の全てを経験してまいりました。 なにか一つに特化することも大事ですが、不動産業は「賃貸・売買・管理」の全てがつながっており、全てを経験しなくては真のプロになれないものと考えております。 不動産業を相対的に学んだことで他社にはできないアプローチ、ご提案ができることが私の強みであります。 また物件管理業務におきましては自身が賃貸物件を保有する大家として経験したこと、勉強したことを管理物件のオーナー様へ情報発信するよう日々心がけております。 自身の経験を活かし、お客様皆様に満足できる不動産取引をお約束致します。
arrow_upward