時には訴訟問題に!?水道管(埋設管)の調査の重要性について
不動産を売る時に必要な各種調査において、上水道、下水道の配管調査は非常に重要なポイントです。自分の利用する配管や枡が別の所有者の土地を経由しているケースでは移設費用、使用料、事故が起きた際には損害賠償請求をされることもあります。普段聞き慣れないもので、存在自体を考えたこともない方が多い埋設管について解説していきます。
前面道路からの引き込みが最もスタンダード
土地や中古戸建を購入する際に最も多いケースは、土地の前面道路内の埋設管から土地内に埋設管が引き込まれているパターンです。この場合、中古の場合はそのまま利用ができ、新築建築をする場合にも土地の中に引込まれた水道管につなぐことで問題なく利用することができます。
建物を解体する際に引込管の撤去、水道メーターの撤去まで行っている土地の場合もありますが、その場合は前面道路から敷地内までの引込工事にかかる費用は買主が自ら負担しなくてはなりません。
一般的には売主、買主共に費用がかかってしまいますので、特殊な事情がない限り、敷地内に引込管と水道メーターを残しているパターンが多いです。
隣地の地中を水道管が通っている場合
古い造成地区や建売エリアの場合、施工会社や販売会社が建築時の費用を安くあげるために前面に道路があるにもかかわらず、複数の土地を経由して地中に水道管を埋設し、給水経路を造ってしまっている場合があります。(困った話です、、、35年前の誰かの尻拭い。みたいな感じです)
そのような土地の場合、物件の販売価格にも大きく影響が出ると言っても過言ではありません。また、所有している段階で、運悪く、隣地の地中で水道管から水漏れしたなどの事故が起こった場合、隣地の土地の所有者に対して損害賠償をしなくてはならないケースももあります。
土地の所有者、隣地の所有者、利害関係のある方全員が水道管が他人の土地を通っている、自分の土地を他人の管が通っている、ということを全く知らないケースも多々あります。
これは造成時や建設時に購入者に対し、当時の建設会社や不動産会社が説明を指定ないケースや、もともとの所有者は知っていたが、別の所有者に変わった時から失念されていた、相続で所有者が変更になり、お互い知らなかった。などの理由があります。
そして不動産取引を行う際に、私達不動産会社が状況調査をしますので、その際に判明する事がほとんどです。
隣地を通っている場合、具体的にどうなるのか?
ライフラインが第三者所有の敷地を通っている場合は隣地の方にご迷惑をかけていることになります。過去に覚書の作成など取決めがなされていない場合にはいつ隣地の所有者から土地使用料の請求や埋設管の撤去を求められてもその要望に対抗する術がありません。
そのため隣地の所有者へ状況を説明して、埋設管の撤去と新設工事を行う事が望ましいです。また、現状では出来ないご理由が双方ある場合は、弁護士や司法書士に依頼をして合意書等作成することをお勧め致します。
売却を行う予定の場合は、募集要項にしっかりと記載をし、買主とのトラブルにならないようにしましょう。売主の負担で引込管の撤去を行なう、敷地への引込工事費用は買主の負担とする、など事前に決めておくことが大切です。
埋設管の引込工事には費用がかかります
最も近い位置の埋設管から敷地内へ引き込みを行う場合でも工事費用がかかります。
また、本管までの距離が長い場合はかなり高額になってしまいますので本管までの距離には注意が必要です。
前面道路が公道ではなく、私道の場合、埋設管が私設管の場合なども注意が必要です。
媒介を依頼している不動産会社の担当者や管轄する水道局などに確認をすると良いでしょう。
購入を検討されている方は建設を依頼する予定の建設会社、購入を依頼する不動産会社の双方に確認をすると良いです。
上水道、下水、ガス管などは直接目に見えるものではありません。
公共機関で取得できる「配管図」と現地調査、聞き込みなどで判断をすることになります。更に一般の方は普段特に意識をするものでもないため、頭の片隅にもないことが多いです。
売るときも買うときも、水道と下水道はどうなっているんだ?ガス管は来ているのか?などを意識できるようにしておくとトラブルを回避できます。

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